2017/06/30 (金) 02:06:42

宇宙への旅

豊島区で、15分くらい宇宙の旅をしてきた。興味深くもあり、怖くもあった。
結果から申しますと、私は無事でした。


27日火曜日、自宅で頭を打った。
ドジでオッチョコチョイである。
急いで身支度をしていたのと、足もとがフワフワしていてぐらついたのと、どこに手をつくか迷っているうちに

・☆.。☆・. ☆。・

左上から右下まで衝撃は走ったが、すぐに立ち上がれた。
今のはやばかったかなぁ、とネットで調べる。
前後の記憶もあるし、吐き気もない、違和感もない。
ただ軽い頭痛みたいなのと、気のせいか知らんが眠くて怠くて
これは大丈夫だろうかと思った。
しばらく安静に。重いものを持たない。酒飲まない。湯船入らない。
いつもやる早歩きはしない。急がない。(これが結構、良いなと思った)


29日木曜日、今日はライブだ。
もちろんそれは行うが、ライブ中に頭がガインガインしてきたら、こりゃもう大変だ。
春に、好きな親戚のおばさんが脳梗塞で亡くなってしまったこともあり、脳はある面で、心肺よりも尊いことを知った。
おばさんから学んだのだ。家族も心配する。
動けるんだから、検査に行こうっと。


レントゲン、それからMRIを受けることになった。
え、今日やっちゃうんだ…よし、お面白そうじゃないか、すぐにやろう。

MRI室へ呼ばれた。
優しそうな男の看護士さん。
こちらの部屋へどうぞと扉が開くと、とにかくでっかい機械が待ち構えていた。
プシュンプシュンと息をするように音を立てている。

「動かないでくださいね、動いたらやり直しなので。」

という説明のみでてきぱきと寝そべられ、戸惑った。
もう始めちゃうの?
もうちょっとなんか説明とか、「多少振動はありますが大丈夫ですよ〜」とか安心するようなこと言って!笑

「これあの、何分くらいスキャンしますか?」(せいぜい2〜3分だろう)
「15分くらいですかね。」
「はい。」

15分…なげえ!
顔の上に固定するようなものをカチャンとはめられる。
自分が機械のどこまで入るのか知りたくて、目をぱちくりする。

「はい、動かないでくださいね。」

もう一度言われると緊張が走る。
私にとってそのトンネルの中は未知の空間で、体に悪影響がないことはわかっているが、どんな感覚になるのかわからなくて怖い。しかも、動いてはならない。
本格的に機械がセットされたっぽく、タオルを体にかぶせられる。
まじで!これから15分の旅でなんかあったら「ヤバイです怖いです」って言えば止めてくれんのかな!
と心配になったら

「なにかあったらこれを長く握ってください。」

と、スポイトみたいな空気の入った物を左手に持たされた。
これが私と看護士さんを繋げる唯一の連絡手段。
大切に手で包み込み、私は旅に出た。


すごくSFな感じ。
宇宙船みたいというのかな、機械はリズミカルな呼吸みたいな音を常にたてていて
それでヴィーンとかビーっていろんな形した音が繰り返される。
頭で360度、シンセの音を聞いてるような感じ。
ダフトパンクのone more timeだったかのMVが頭に浮かんだ。
異星人のアニメーションで奇妙だったなぁ〜。

…実際には(異星人を除いて)こんな感じだったんだけど、面白そうに見えるだろう。
いや、面白いのだ。
しかし、私の場合そうでもして気をそらさないと怖くてやってられなかった。
今頃、この部屋の外で看護士さんがのほほんと待っているのだろうな。
本当になんてことのない作業なのだろうな。
などと一生懸命深呼吸しながら、色んなことを考えていた。


長かったけれど、私が思っていた15分よりは案外早く終わった。
one more timeにならずに済んだ…
今度は別の女の看護士さんが来た。

「はい、大丈夫でしたか〜」
「あはい…緊張しました。」(いや怖かったよ)
「すごいでしょ。」
「音がすごいですね。」
「これでも静かな方なのよ。機械によってはもっとうるさいのがあって、体に響くぐらいなの。」
「へぇぁ。」
「検査中に寝ちゃう人も居るんだけどね。」
「いいですね…」

検査が終わって、待合室の椅子に座る。
次の患者さんがMRI室に入って女の看護士さんが案内しているのが聞こえた。

「どうぞ〜。狭いところとか大丈夫ですか?」

それ!そういうの、最初に聞いてほしかったわ(涙)
私は待合室で、ホッとしていたというか、ゲッソリしていた。


そんな中、診察室にまず女性の名前が呼ばれた。
その年配の女性は、待合の椅子で男性と盛り上がっている。
年配女性も呼ばれているのをわかりつつ話を締めくくろうとし、呼んだ看護士さんもそれをわかりつつ、話の一区切りを待っていた。
呼んだ看護士さんが主治医の先生に「ちょっと○○さん、話し込んでて…(笑)」と伝える。
すると先生も待合室に出てきて微笑ましく様子を見に来た。
呼ばれた年配女性が話した。

「すみませんね、同じ高校だった方でして。びっくりしました。」
「そうなんですね〜」
「憧れの先輩だったんです。もう40年ぶりです。」

思わず見ると、年配の男性は確かに男前だったんだろうなぁという顔立ちだった。
男性は会計が終わっていたので、「ではどうも」と挨拶をして帰っていった。
結構、和んだ。
こんなこともあるもんだなぁと和らいだ気持ちで椅子に座っていると、テレビニュースで福原愛選手が妊娠をしているとのことを知った。また微笑ましくなった。私はテレビの裏側のポジションに座っており、きっと更に柔らかな表情になっているであろう彼女の顔をすぐ確認することはできなかったが。

主治医の先生から、異常はありませんとの結果を報告された。ひゅー。
撮影したレントゲンやMRIで、初めて自分の顔全体の骨格や中身を見たが、あー私っぽい骨格…と思った。
MRIは、さすがあれだけの機械を使っただけある。
360度から捉えた、とてもリアリティあるグラフィックを見せてくれた。
それは自分の中にある血管の位置だ。
無色で形だけグラフィック化されているだけなのだが、びびった。

「うわっうわ〜」
「すごいですよね。」
「ちょっ、すごいです…」

先生が画像を指差しながら、
こっちが顎だとしたらこれが鼻、目の部分です、と説明してくれるのだが、
私はときどき画像から目をそらして「はい、はい」と見ているフリをした。
それでも説得力のある説明であることがわかった。


脳神経外科からエレベーターでビルの下に降りて扉が開いた瞬間、
なんともなかったことのラッキーさに、
っしゃ、っしゃ!と声を出したぐらいだ。
これから高円寺でライブをする。


着くなり、共演の湊さんやマスターにその話をすると、
湊さんも昨日、人生初のバリウム体験をしたと言う。
あぁ…その検査も、恐怖だなぁ…
そしてもう一人共演のババさんも、MRIを体験したと話していた。
みんな、くぐっているんだなぁ。

なんか頭ぶつけてからほんのり残っていた頭痛は、ライブ中まったくなかった。
心おきなく、歌った。
それにしたってだよ、ババさんや湊さんの歌に圧倒されて、ひゃ〜っとなってしまったよ。
それでも、帰り際に湊さんが、
「やっぱりクララちゃんの歌はね、なんか上手く言えないけど、大陸みたいだよ!島国の人とは思えないよ!」
と言ってくれて嬉しかった。
私、アメリカ大陸を車で横断してるみたいな爽快で気持ち良い感じ好きなんだよ。
アメリカ行ったことないけどね!


今回の記事を読んだ方で、
初のMRI検査を控えている方、恐怖をあおっているみたいで申し訳ない。
そういうつもりはないのだが、私は年々あらゆるものにビビリになってきているだけ。
あれは、真面目で精密な、ちょっとしたアトラクションなんです。
待ち合い室でみた年配男女のような楽しいミラクルがあるかもしれんから、長く健康で在ろう。

 
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