2017/11/03 (金) 01:38:44

雨がもたらした旅 2

10月29日

目覚めても雨、強風はないものの、むしろ今日が本格的な雨降りの日だった。
昨日は前夜祭だったらしい。

スーパーで買ったスープ春雨と、シャクシャクの柿をみんなで食べた。

今日の予定は決まってるの?
なんも決まってないです…
なんか食べたい物とかある?
美味しいカレーが食べたいです。
カレー…あ、美味しいカレー食べれる喫茶店あるよ。
連れてってください。

本当は、雑誌に載っていた店も気になっていたのだが、そこは情報もあるし自分の足で行けば良いのだ。
京都クレイジーな私が知らない良い店を、ネイティヴに教えてもらいたかった。それは何の情報誌よりも信じられる。

「あとは?卸売市場とかどう?」
「いやいや東京に住んでるクララっちは築地を知ってるだろうから…」
「あ、私、築地の市場行ったことないんですよ。」
「よし行こう。」

雨の中、市内散策無計画な私をカイロスカーで観光案内してもらった。
車で連れられると、現在地がよくわからなくなるが
とにかくシャッターの降りた店が連なる古びたアーケード街に来たようだ。
こういうところ!良いです!
京都駅から七条通りを西に行ったところだ。
ざわちゃんがみなみ会館で働いていたときによく行ってたという喫茶店、NASUに到着した。
スピーカーから流れるJAZZ、ゴルゴ13とかの単行本が並んだ本棚、可愛い〜タイル、機嫌の良いマスター、甘くて辛いカレー。
ここのカレーはライスとルーがダム盛りになっているのが面白い。
つまりライスがドーナツ状に盛られており
その中心にカレーのルーがおさまっているという
非常に絵になる盛りつけの仕方。
しかし客層や雰囲気を見るに、インスタントグラムで映えさせるためにこのカレーを食べに来る人は一人として居ない。
私ぐらいか。
すばらしく隠しておきたい名店だ。しかし店名は既に明記してしまった。
名店というのはどこに隠れているかわからんねぇ。


京都市中央卸売市場に着いた。
今回の京都で街歩きした中、一番ワクワクしたかもしれない。
日曜日だから、どこの店もシャッターが降りている。
この眠っている市場の雰囲気がかっこいい。
雨のダークな感じが一層それを増す。
つまり雨をまとった市場は3割増しだよ、3割増し。

色んな資材が積まれた暗くてだだっぴろい広場を歩いていると、
どこかから50人ぐらいの不良たちが出てきて
襲われてしまいそうだ。
呼び出しを喰らって絶体絶命の危機になった瞬間、どこか大きな扉が開き、救世主が現れる。
ドラム缶かなんかが転がる中、50対2ぐらいで乱闘を始める。
…という妄想ができるぐらいのロケーションでありました。

唯一営業していたもの、それは自販機である。
数あるブース?の中に、自販機と、どこかから寄せ集めたイスやソファが置いてある休憩所のようなところがあり、そこだけが明かりを灯していた。
何ヶ所かあるその休憩所には、それぞれ個性があり、
テーブルのあるとこないとこ、電球のセットされていないランプシェードがズラリとぶら下がっているとこ、1対4くらいの並びで椅子が面接みたいに配置されたとこ…
普段はどのように活用されているのか、見てみたい。


我々は市場探検のあと、
100000tアローントコへ向かった。
クララズのCD、取り扱って頂いてるからどれくらい売れたか確かめたかった。

こんにちは、
こんちは、
なにしにきたの、
東京から来た子を案内してました、
どうもCD置いて頂いてますクララズです、
あークララズ。

ざわちゃんや乙川さんは店の加地さんと顔なじみのようで、天気の話だとか共通の知り合いの話とかをしていた。
インディーズのCD棚を目をこらして見た。
眺めの良いジャケ、知り合いのCD、知り合いのいとこのCD…私のCDのサンプル盤。
カウンターの中に居る加地さんに聞いた。

「加地さん、CD何枚売れていますか?」
「よし、何枚売れたか、数えよか。」
「はい。」
「そっち、数えてくれる?」

たまたま棚の前に居た私と乙川さんが、棚卸し作業を命じられた。
さっき見渡したとき、自分のCDの在庫は見当たらなかった。

「加地さん、ないです。」
「そんなことある?」

全部売れたことを信じてくれない加地さんだったが私も信じがたかったのだ。
再度くまなく探した。

「やっぱりないです。」
「そんなことあるー?ちょっと待って。そっちになくて、出し忘れてこっちにあったらヤバイな…そしたらごめんな。ヤバイ。

…ない。全部売れたんや。」

歓喜。
心当たりのある中では、神戸から、市内から、三重から買ってくれた人を知っている。
ほかに、誰がどんな印象を持って買ってくれたんだろう。
こういう趣味の良い店では、そういうのが気になる。
お買い上げ頂き、ありがとうございました。


旅費がカツカツだった私は、精算したお金を得たことにより心に余裕を持ち、店内で自分へのお土産を探す。
中古のCDか…文庫本か…でも積ん読いっぱいあるし。。
「気になる」ぐらいの作品はあれど、これだというものがない。
なにか諦めようとしたとき、新品の写真集が目に入った。

加瀬健太郎、『撮らなくてもよかったのに写真』。
パラパラめくって、欲しい!!!と思った。

レジに持っていったら加地さんが、良いの持って来たな的な感じで
「おお。この人、知ってるの?」

「いえ、知りません。なんか良いなって」
「この次の作品のこれもええよ」

加地さんが見せてくれたのは、『お父さん、だいじょうぶ?日記』だった。
ネットで見た…なんか気になってた本だった。
その方の写真作品がたまたま自分に引っ掛かって嬉しかった。
良い買い物をした!

「ごめんな、袋、透明で。」
「これですか?別に大丈夫ですけど。」
「それ、違う店の袋やねん。」
「…笑」

閉店してしまった京極のAVISという名のレコ屋の袋らしい。
洋服屋の袋みたいに洒落てる。
なに、AVISでレコード買うと何買ったか趣味スケスケの状態で持ち歩くことになるんだ。
これはなんだか、貴重なものを手に入れた。
欲しい人は100000tで買い物すると良いでしょう。

ざわちゃんは、トムトムクラブのレコードを買っていた。
窓の外を見たら、雨雲が切れて西日を受ける建物が見え、天気が良好になってきた様子が見えた。
私はこれから帰るというのに、台風と一緒に東へ向かうのか。


100000tの建物を出て通りを歩いていると、ハーモニカを吹きながら歩行するまともそうなおじさんを見た。
この街は面白いな。


京都駅まで送ってもらった。
本当に毎度ありがとうございます。
クララっちは雨の中でも京都を楽しめたし、また全然知らない街の風景を見つめることができた。
京都タワーのライトアップ、結構変わった。
これから見慣れちゃうのかな。
それでも、以前の夜の京都タワーの光の感じを思い出せるかな。
帰ったら、東京もすっきりとした夜空になってた。


 
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