2018/02/08 (木) 01:46:35

金沢ユース

北陸とその他の地域の音楽をつなげる良イベント、tsumuguにお呼ばれして
クララズ初の金沢公演を遂げた。
金沢は2度目だけれど、それでも新鮮で、なんて面白い地なんだろうと思った。
それと、地方の音楽シーンについて考えるものがあった。
これまで沖縄や広島でもライブをしてきたけれど、
こんなことを真面目に考えるのも初めてだな。


3月31日

朝6時台、夜行バスで金沢駅に到着。ほとんど眠れていない。
石川県は肌寒いどころじゃない。ヒンヤリとしている。
桜の開花はまばらに見えた。
東京の桜のピークを見たあとに、これはもしかして美味しい思いをするかもしれない。


バスで近江町市場の近くにワープした。
泊まるゲストハウスを見つけると、向かいにある黒門前緑地というところに満開の桜の木が立っていた。
木々を眺めているとカラスの巣を初めて目撃したり、
トンビが飛び交っているのが視界に入った。


身を軽くして散歩を試みた。
すごい、なんかスタバな気分だった。甘い物が飲みたかった。
市場に面した金澤家珈琲には、加賀棒茶ラテなるものがある。
ほうじ茶の、カフェインが少ないバージョン。おいしい。
店内の簡単なカウンター席に座って、東京の人に手紙を書いた。
まだ何も始まっていないから土産話もなにもないが、何か面白いことは起こるだろう。
手紙を書き終えて、砂糖を加えた棒茶ラテの紙コップを持って、
そのまま金沢城公園へ向かった。


金沢城公園はお城跡の公園である。
「トンビに注意!」「イノシシ出没注意!」の紙が貼ってある門を見ると、意外とデンジャラスなんだな…と思う。
入場直後、視界が開けたらさっそく心が震えた。
桜が咲いた木々が植わった芝生と、
なにも植わっていない広大な芝生。豊島美術館を思い出すような凹凸と、なにもなさ。
さらにその先には、雪が少し残っている山々が見えた。
思い出した、春先の北信越地方は、白い山も桜も眺められるんだった。
これはもしかして、21世紀美術館より美術館なんじゃないかと思えた。
(実は行ったことがありません)
おまけに人も少なくて快適だった。


桜の細い木の下に腰をかけて、天然美術館+山の景色をぼーっと眺めた。
上を見上げると、真っ青な空にくっきりと存在感を放つ桜の花が見れる。
私の真隣に、同じように木にもたれるように腰掛ける
外国人年上女性がいた。
思わず、どこから来たのと声をかけてしまいたくなるような陽気な気分になっていた。
こんなに良い景観なら、東京だったら場所取りをするぐらいのレヴェルかもしれない。
めったにない機会だから、何十分も同じ場所に座っていた。

その後、複雑な城の道をたどりかけたが、
一睡ぐらいしかしていないこの身がなんでこんなに動くのか不思議で、
でも夜のライブの頃にヘトヘトになっていたらアカンと思って
ほどよいところでターンした。



大好きな、近江町市場へ。
売る人、売ってある物、歩く人、買う人、生活感、
それらのエネルギーが渦巻いているような場所で、なんかすごく面白いのだ。
歩けばさっそく、売り場のおかあさんが優しく
「はい、おねえさん、蟹いかがですかぁ。」
なんて平然と声をかけてくる。
お持ち帰りできるわけないだろう!
旅人にサラッと蟹を売ろうとしてくるところがストレンジだと思ったが、
「お土産にするなら、発送もできますからね。」
と、おかあさんはつけ足した。
なんだ、こちらの突っ込みも織り込み済みか。買わないけれど…


売り場の魚介類をその場で食べれるよコーナーで、
ほたるいかと梅貝を食べた。1人で。
ビールが飲みたくなっちゃう美味しさだった。


今日ライブをするメロメロポッチでリハーサルした。
京都からKailios(カイロス)もやって来た。
どちらもリハーサルを終えて、時間が空くのでいかに過ごそうかと考える。
なぜか、カイロスが今晩泊まるゲストハウスのチェックインに着いていくことになって車に乗せてもらった。

そこは、住宅街の中にある、まさに住宅のような建物で、
入るときもインターホンを押して
経営しているご夫婦が出てくるような感じだった。
寛容なことに、チェックインしない部外者(私)まで部屋案内に招いてくれた。
カイロス一行が泊まる一部屋には、既に布団が敷いてあり、2段ベッドも設置されていた。
カイロスのみんなは、部屋説明が終わると
トランプがこれから出て来るんじゃないかという勢いで寛ぎ始めた。
私は部屋を利用する身ではないので
あまり邪魔してはならんだろうと控えめに正座していた。

「クララも寛いだらええよ。」
「今日ここに泊まったらええのに。」
「いやいや(笑)もう私は別の宿にお金を払ったんですよ。」

みんなそれぞれの話を聞いているんだか聞いていないのか、
この誘いを、なぜかメンバー一人一人から3分に一回ぐらい受けるのだった。
同じ空間に居るのに…笑
カイロスたちは、これから使う布団の上に身を横たわらせていた。

なにか甘い物が食べたくなって
こぎれいなカフェテリアに入った。
ケーキは全部食べきれなそうだったから、ちかぶーとフジさんと、ケーキを共有することにした。

「どれにする?俺さくらがええな〜」
「私も!」
「よしさくらにしよう!せっかくさくらが咲いてるからな」

それぞれの皿に、ミニオンズのキャラクターがデコレーションされていた。
だけど、いしんさんの皿にだけはミニオンズじゃなくて、
少しリアルな苺とその木の絵だった。

「なんでいしんくんだけ、キャラクターじゃないんやろ」
「俺に気があるとかかな」
「そうか〜、ほかのやつらにはミニオンズ描いとけば喜ぶだろっていうあれか〜」

みんなでつつくケーキは美味しい。
tsumuguがもうすぐ始まる!行かなきゃ!

今夜は、近江町市場の果てのような位置にあるバー・喫茶メロメロポッチでライブだ!
去年の夏、お客として入ったメロポチ。
受付で、「出演者で〜す」と言って階段で地下へ潜った。

にぼしが演奏していた。
今日は2人だ!やっぱりアッパーだな。かっこいいな。

Kailiosは、なんだかんだ何度も観ていて
曲も大好きだから、いくらでも毎回同じ曲をやってくれても喜ばしいのだが
毎回、違うアレンジをぶち込んでくれたり
新しい曲も面白かったり
パフォーマンスもなにかしらイベント的なものがあって
とにかく創意工夫をしてくれる。
音楽もアートワークも、すべてのセンスを信じることができる人たちだ。

よく、Kailiosの次に演奏することが多い。
今回もそうであった。
tsumugu主催者の大谷さんのリクエストで、私はアコギ弾き語りで登場した。
アコギは演奏面で苦手意識があったのだけれど、
大谷さんが初めて観てくれたのは、私のアコギの演奏だった。
そこを信じて今日金沢へ呼んでくれた。
良く歌えたと思う。
みんなから、エレキよりアコギの弾き語りがいいよ、と言われた。
普段、ほかの誰かに言われても「そうかねぇ」と思うのだが、信じている人たちがそう言っていたから
嬉しかった。

東京から来た、毛玉を久々に聴いた。
彼らのセンスもすばらしいんだよなぁ。
名前も見た目もほわっとしているけれど、実際に出てくる音楽はとてもかっこいい。
やっぱり良いですね…
物販のカセットテープ、良いなと思ったけど再生機器を持っていないから手を出さなかった。
完売していた!

金沢の至宝、やまも。
大谷さんが絶賛していて知った。YouTubeでライブの模様を観た。
それから、私のお客さんもやまもを知っていて、「彼らの音楽は、ありがたみを感じる」という話を聞いて
これはますますライブを観るべきだと思った。
そこらに大きな謎のぬいぐるみを数体設置し、
ねじりはちまきを装着し、
これから何が始まるのやらと息をのんだ。
名前の由来はわからないが、名前の印象のごとく、のどかな調子。
そこに、ドラムとベースの確かな技術。。
MCで、ラップを始める、とん太郎さん。。
やまもがステージに立てば、会場がやまもになってしまうのだった。
なんか、北陸に来た感じがした。ありがたい。

最後は東京のyule。
同じ東京に居ながら、初めて出会った。
グロッケンの響きが生かされてアイリッシュな音楽であるが色んな要素が盛り込まれている。
音楽にストイックに向き合う人たちに見えた。

北陸のイベントがそうなのか、大谷さんがそうさせているのか、
東京でも大谷さんと共にライブを企画したけれど
同じ空気感になっている。
出演者同士、出演者それぞれが呼んだお客さん、それぞれが平行線に居るのではなく
しっかりと交わって、楽しむことができている。
今回のイベントもそんな印象だった。

打ち上げには、おにぎりや唐揚げ、お刺身、日本酒が登場して
この打ち上げ飯は名物だな…と思った。
あんなにたくさんあったのに、あっという間にお皿の上はすっきりとなった。

良い夜だったなぁ。
外に出たら、本格的にヒヤヒヤの空気になっていた。
市場は眠っている。
歩いて宿まで帰ってるとき、満月に近い月が夜を明るく照らしていた。
大谷さん本当にありがとう、としんみりしながら帰った。
私が帰ったあと、メロポチの前ではドサクサに胴上げが行われていたようだ。
これが金沢の音楽シーンである。


 
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