2018/05/15 (火) 23:41:27

健康診断日和

5月15日

今年もやってきたよ健康診断。
家を出るときに、大したことではないが色々なことがあって気持ちが軟弱になっていた。
あと、健康診断の説明書きに"受診前の食事は控えてください"と書いてあったのに
余裕でご飯食べてきちゃった。
やばい。怒られる。
電車の中で、「健康診断 食事」と調べる。
実際には、採血のときに血糖値が高く記録され、正確に計れないということがあるそうです。
弱気で受付のお姉さんに相談すると、
それでもよろしければ、という感じだった。


検診の空間に入ると、まずどこに行ったらいいのやらとテンパりそうなところ、
戸惑いが始まる前にスタッフが笑顔でこちらに向かってきた。
ああ、なんと手際が良いこと。
雑誌コーナーには、今年も「日帰り旅」を特集したものが置いてあった。
去年もここで、そんな内容の雑誌を手にとった。
首都圏から、電車で一、ニ時間で行ける範囲の、ゆったりした時間が流れているような街の紹介だ。
5月というのは、そういう季節なのかもしれない。
ちなみに、全国で発売している雑誌なのに東京視点で特集されているのは去年も疑問に思った。
後日、東北出身の友達にそれを話すと、
「テレビも、昔からそうだよ。好きなアーティストの公演も、自分が遠くに行かなきゃいけないんだよ…」
私が抱いた疑問は今更なことで、
自分が"日本の中心とされる街"に居ることさえ、見えなくなっていた。


一番怖いと思っている採血は、健康診断の序盤にある。
「クララさん、どうぞ」
ちゃっちゃと終わらせるぜ!
「まず血圧を計りますね」
「はい」
「…うん、○○(数値)ですね。苦笑」
「低いですね。苦笑」
心配になってきた。
「そうですねぇ〜、去年よりもちょっと低いですね。貧血になることはないですか?」
「ないです」
「はい、それなら、うん大丈夫かな。これから採血しますけど、今までそれで気分が悪くなったことなどないですか」
「ないです」
「はい。今日は、体調に変化はないですか?」
「ない、です」
心調はよくないです…
「じゃああちらで、採血しますね」

優しいけれど、言動の節々からおっちょこちょい要素を感じる看護士さんだった。
案内された"あちら"に行くと、もっと頼もしそうで若く生き生きとした看護士さんが出てきた。
この人になら、腕を委ねていいと思った。
体調の変化など、先ほどと同じことを訊かれる。
訊かれるほど、心配になってきた。
「私、今まで倒れたことはないですが、なんか、大丈夫ですかね」
「もし心配でしたら、ベッドに横になって採血することもできますよ。そうしますか?」
「じゃあそうします。」
「わかりました。あ、今…ベッドが使用中ですね。」


その間に、私はほかの検査を受けて、
苦手なものをちゃっちゃと終わらせるどころか、
採血は最終ステージに持っていくことになってしまった。
待合室で水槽を視界にボーッとしていると、
その向こう側に、アフリカ大陸出身のような婦人が座っていた。
なにやら夢中になってゲームをしているようだ!
いや、ここにそういう機械は持ち込めないはず。
そうか、受付で渡されたタブレット端末に問診チェックをしているんだ…
なんて楽しそうに見えるんだろう。

体脂肪率に於いては確実に、心配要素に引っ掛かりそうな体型をしているのだが、
全身から"陽気"な感じが放たれていて、
気を確かに持っていることは良いなぁと思った。
次第に、こっちまで元気になってきた。



最終ステージ、採血のベッドルームへ呼ばれた。
採血をしてくれるのは、さっき会話した、おっちょこちょい要素のありそうな看護士さんだった。
きっと、大丈夫。
血管の浮き出た私の細い腕ならば、すぐに針は命中するだろう。
言われた通りに横たわり、腕を差し出した。
「はい、それでは○本分、採っていきますね」
一瞬だけ、針がささった痛みを感じた。
「…あれ?」
看護士さんが、途中から小声で疑問の声をあげた。
なにですか!
やっぱり、この方は、おっちょこちょいなのですか…!
「…あ、うん、大丈夫大丈夫。はい、終わりです」
よかった。。私は、大丈夫なのか?
「ありがとうございます。あの!このあと、気分が悪くなってくることってありますか」
「うんとね、それくらい話せていれば大丈夫。気分の悪くなった人は終わった直後、放心というか、もうね、ぐったりするんです」
「そうですか。大丈夫ですね。ありがとうございます。」
自分が大丈夫なのかどうか、なぜか看護士さんに訊いていた。

小学生の頃、熱を出したり、お腹が痛くなったりするたび、保健の先生に、
私は授業に出て大丈夫なのか、
体育をして大丈夫なのか、
明日学校に行けるのか、
などなんでも質問していた。
体の仕組みをわかっているプロだと思っていたから。
先生はそのたび
「あのね、自分の体のことを一番よくわかっているのは自分なの。自分で決めなさい。」
と私に言った。
私は成人しても、自分の健康を看護士さんに確かめようとしていた。


体で特に大したことはなにもなかった。
大したものである。
検診施設を出てすぐのところは
高い木の並木道になっている。
5月にそこを通ると、気持ちがいいのだ。

 
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