2018/06/14 (木) 01:26:00

金沢ユース

3月31日

朝6時台、夜行バスで金沢駅に到着。
ほとんど眠れていない。
肌寒いどころではなく、ヒンヤリしている石川県。
桜の開花はまばらに見えた。
東京の桜のピークを見たあとに、これから始まる開花の可能性…
これはもしかして、かなり美味しい思いをするかもしれない。


バスで近江町市場の近くにワープした。
泊まるゲストハウスを見つけると、向かいにある黒門前緑地というところに満開の桜の木が立っていた。花の美しさが一番よく映えるのは、真っ青な空が背景にあることだと知った。きっと、誰がどの機器を使っても、美しく写真におさめることができる。


甘い物が飲みたい気分だった。
市場に面した金澤家珈琲には、加賀棒茶ラテなるものがある。
ほうじ茶の、カフェインが少ないバージョン。カフェインに弱いわたくしには最高!
店内の簡単なカウンター席に座って、東京の人に手紙を書いた。
まだ何も始まっていないから土産話もなにもないが、何か面白いことはこれから起こるだろう。
手紙を書き終えて、砂糖を加えた棒茶ラテの紙コップを持って、
そのまま金沢城公園へ向かった。



この公園はお城の跡地である。
「トンビに注意!」「イノシシ出没注意!」の紙が貼ってある門を通ったあと、さっそく心が震えた。
桜が咲いた木々が植えられた芝生と、
道を挟んだ対岸には、なんにも植えられていない広大な芝生。
豊島美術館を思い出すような凹凸と、なにもなさだった。
さらにその先には、雪がまだ残った山々が見えた。
普段、山が見えないところで生活していると、そういうのに単純にテンションがあがる。
ここはもしかして、21世紀美術館より美術館なんじゃないか…?
(実は21美に行ったことがありません)
おまけに人も少なくて快適。


桜の細い木の下に腰をかけて、その美術館(芝生)+山の景色をぼーっと眺めた。
上を見上げると、真っ青な空にくっきりと存在感を放つ桜の花が見れる。
私の間隣に、同じように木にもたれるように腰掛ける
外国人年上女性がいた。
思わず、どこから来たのと声をかけてしまいたくなるような気分だった。
こんなに良い景観、もし東京だったら、朝から場所取りが必要なぐらいのレヴェルかもしれない。
その後、複雑な城の道をたどりかけたが、
睡眠不足のこの身がなんでこんなに動くのか不思議で、
でも夜のライブの頃にヘトヘトになっていたらアカンと思って
ほどよいところでターンした。



大好きな近江町市場へ。
私は去年の夏もこの市場で長い時間を過ごした。
沖縄に行ったときも、大きな観光地よりも市場での時間を多くすごした。
売る人、売ってある物、歩く人、買う人、生活、
それらのエネルギーが渦巻いているような場所で、それはまぁ後付けでもあり裏付けの理由だけど、なんかすごく面白くて好きなのだ。
歩けばさっそく、売り場のおかあさんが優しく
「はい、おねえさん、蟹いかがですかぁ。」
と声をかけてくる。
まだ来たばかりなのに、蟹を持ち帰れるわけがないでしょう。
旅人にサラッと蟹を売ろうとしてくるところがストレンジだと思ったが、
「お土産にするなら、発送もできますからね。」
と、おかあさんはつけ足した。
なんだ、こちらの心配もちゃんと折り込み済みではないか。買わないけれど…

売り場の魚介類をその場で食べれるよコーナーで、
ほたるいかと梅貝を食べた。1人で。
ビールが飲みたくなっちゃう美味しさだった。


今日ライブをするメロメロポッチでリハーサルした。
京都からKailios(カイロス)もやって来た。
どちらもリハーサルを終えて、時間が空くのでいかに過ごそうかと考える。
なぜか、カイロスが今晩泊まるゲストハウスのチェックインに着いていくことになって、彼らが泊まる宿まで車に乗せてもらった。


そこは、住宅街の中にある、まさに住宅のような建物で、
入るときもインターホンを押して
経営しているご夫婦が出てくるような感じだった。
寛容なことに、チェックインしない部外者(私)まで部屋案内に招いてくれた。
カイロス一行が泊まる一部屋には、既に布団が敷いてあり、2段ベッドも設置されていた。
カイロスのみんなは、部屋説明が終わると
トランプゲームがこれから始まるんじゃないかという勢いで、みんなダラ〜っと横になって寛ぎ始めた。
私は部屋を利用する身ではないので
控えめに正座していた。

「クララも寛いだらええよ。」
「いえ私は泊まらない人ですから。」

「クララさん今日ここに泊まったらいいじゃないですか。」
「いやいや(笑)もう私は別の宿にお金を払ったんだよ。」

みんなそれぞれの話を聞いているんだか聞いていないのか、
この誘いを、なぜかメンバー一人一人から3分に一回ぐらい受けるのだった。



チルチルしているうちに甘い物が食べたくなって
みんなでこぎれいなカフェテリアに入った。
ケーキは全部食べきれなそうだったから、ちかぶーとフジさんと、ひとつのケーキを共有することにした。

「どれにする?俺さくらがええな〜」
「私も!」
「わたしも!」
「よし、さくらにしよう!せっかく桜が咲いてるからな」

それぞれの皿に、チョコソースでミニオンズのキャラクターがデコレーションされていた。
だけど、いしんさんの皿にだけはミニオンズじゃなくて、
少しリアルな苺が実った木の絵だった。

「なんでいしんくんだけ、キャラクターじゃないんやろ」
「いしんくんに気があるとかかな」
「そうか〜。ほかのやつらにはミニオンズ描いとけばまぁ喜ぶだろっていうあれか〜」

みんなでつつくケーキは美味しかった。



tsumuguがもう始まる。
今夜は、近江町市場の果てにあるバー・喫茶メロメロポッチでライブだ!
去年の夏、お客として入ったメロポチ。
今日は受付で、「出演者です〜」と言って階段で地下へ潜った。


にぼしが演奏していた。
アッパーな演奏に、始まったワクワク感があった。

Kailiosは、なんだかんだ何度も観ていて
曲も大好きだから、いくらでも毎回同じ曲をやってくれても喜ばしいのだが
毎回、違うアレンジをぶち込んでくれたり
新しい曲も面白かったり
パフォーマンスもなにかしらイベント的なものがあって
とにかく創意工夫をしてくれる。
音楽もアートワークも、すべてのセンスを信じることができる人たちだ。


tsumugu主催者の大谷さんのリクエストで、私はアコギ弾き語りで登場した。
普段はソロのときもエレキギターで、アコギは演奏面で苦手意識があったのだけれど、
大谷さんがクララズを初めて観てくれたのは、アコギのスタイルだった。
それを観たく今日、金沢へ呼んでくれた。
なんか良いライブをしたと思う。
みんなから、エレキよりアコギの弾き語りがいいよ、と言われた。
普段、ほかの誰かに言われても「そうかねぇ」と思うのだが、信じている人たちがそう言っていたから
嬉しかった。


金沢の至宝、やまも。
大谷さんが絶賛していて知った。YouTubeでライブの模様を観た。
それから、私のお客さんもやまもを知っていて、「彼らの音楽は、ありがたみを感じる」という話を聞いて
これはますますライブを観るべきだと思った。
そこらに大きな謎のぬいぐるみを数体設置し、
ねじりはちまきを装着し、
これから何が始まるのやらと息をのんだ。
名前の由来はわからないが、名前の印象のごとく、のどかな調子。
そこに、ドラムとベースの確かな技術。。
MCで、ラップを始める、とん太郎さん。。
やまもがステージに立てば、会場がやまもになってしまうのだった。
北陸に来たんだなって感じがした。ありがたい。


東京の毛玉やyuleは、ここで初めて共演した。
毛玉のセンスも好きだし、カセットテープ完売してるし、
yuleも演奏することに対して真摯に見えた。


北陸のイベントがそうなのか、大谷さんがそうさせているのか、
東京でも大谷さんと共にライブを企画したけれど
、どれも同じ空気感になる。
出演者同士、出演者が呼んだお客さん、それぞれが平行線に居るのではなく
しっかりと交わって、楽しむことができている。
(と、私は思いたい)
今回のイベントもそんな印象だった。



打ち上げには、おにぎりや唐揚げ、お刺身、日本酒が登場して
前回もそうだったがこの打ち上げ飯には北陸ならではの物まで並んでいて、すばらしいものだ。
残らないか心配になるぐらいたくさんあったのに、あっという間にお皿の上はきれいになった。


良い夜だった。
外に出たら、本格的にヒヤヒヤの空気になっていた。
市場は眠っている。
歩いて宿まで帰ってるとき、満月に近い月が夜を明るく照らしていた。
大谷さん本当にありがとう、としんみりしながら帰った。
私が帰ったあと、メロポチの前ではドサクサなノリで胴上げが行われていたようだ。
これが、金沢の音楽シーンのひとつである。


→金沢ユース2

 
 
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