2018/06/14 (木) 01:43:43

金沢ユース2

4月1日

遅めの朝ご飯をとるべく喫茶店チャルダに入った。
感じのいいマスターが、どうぞと席へ促した。
いくつかの水槽と、電話機はないもののテレフォンボックスがあった。相当昔からあるお店だと思う。
トーストとホットミルクを頂いた。


帰りがけ、マッチはありませんかと訊いたところ、
あるにはあるが、お店には置いていないとのことだった。
大抵は、「もうマッチは店にないんですわぁ、昔はありましたけどね。」「そうですか、ありがとうございます」で終わるところ、マスターが次から次へと色んなお話をしてくれた。

マッチがあるのになぜ店に置いていないのかというと、
誰もが予想する通り、需要が減ったから。
マスターが体感したその感じというのは、
マッチを出してもお客さんが数本だけ使って、テーブルに置いて帰る。
箱ではなくブックマッチなのか知らないが、
お店としては、数本減ったマッチを新しいお客さんに使い回して出すわけにはいかないから、
マッチを出さなくなったのだとか。
今度は、マッチの代わりに100円ライターを置く(貸す)ようになった。
すると、このライターにしてからは多くの人がそれを持ち帰るようになった。
貸すはずものが、どんどんなくなってゆくとのことで、
今度は、100円ライター置きというのがあって、それをテーブルに設置し始めた。
そうすると、置き場があることにより、お客さんに"お店のライター"ということを認識させるのか
持ち帰る人は減ったという。
マスターによる、消費者心理の観察が面白く、聞き入ってしまった。

「だからたくさん余ったマッチは捨てようかどうか迷って、家で仏壇とか火つけるときに使ってますわ。」
「はぁ。もったいないです、捨てないでください!私みたいなコレクターが居るんですよ。」

するとマスターは、有名なお笑いコンビの名前を出した。
その片方の方が喫茶店好きで、
チャルダに来店したときにマッチが欲しいと仰って、しかし置いていなかったから出せなかった。

「まぁそんな方もおりましたわ。でもそれ以降ガツンとした出来事(マッチを欲しがる人)がないから未だ置いてないですけどね。笑」

そこから、布おしぼり→紙おしぼりを出すことになった話や、
領収書とかの話になった。
マスター、私はそろそろ…と次第に思い始めたところで、次のお客が入ってきた。

「そういうわけで、次来たときにはマッチ置いてあるようにしますわ。」

マスターは笑顔でそう言って、お客の席へ向かって行った。




まだ11時の話です。書き続けます。
カイロスのメンバーと金沢をぷらぷらすることにした。
広大で、道の入り組んだ市場でどうやって合流できるだろうかと思いながら、道もわからずなんとなく吸い込まれるように右折したら、そこは昨夜のメロメロポッチへ行く道だった。

そしたら、ちかぶーから「メロポチの近くに着きました」と連絡が来た。
ちょうどみんなここに吸い寄せられたのが面白い。
磁力でも働いているのか。
フジさんとちかぶーと合流した。

「海鮮丼これから食いに行くんやけど。」
「私さっきトースト食べたばっかなんですよ。でも小さいのがあれば食べたいな。」

プチ海鮮丼なるものが存在する店を見つけた。
混まないうちにお店に入り込み、カウンター席に3人並んだ。
市場のどこにでもありそうな新しげな佇まいの店だったから、フ〜ンと思っていたのに、
出て来た海鮮丼は白身も赤見も海老もイクラも金箔ものっていて、さすが、すばらしく美味しかった…
見上げるとテレビがついていて、
北陸地方が拡大された天気予報図が表示されていた。
そういえば、旅先でテレビってあんまり観ない。
フジさんが「もっとローカルなCMとか流れへんかな」と言ってみんなで期待していたけれど
確かにそういうので遠くに来たことを感じるのもいいな。


お店を出て、フジさんとちかぶーは
デザートに、さらに何かの海鮮を食べるつもりでいた。
私にはもう別腹の余地もない、腹いっぱいだった。
その場で食べれる魚やさんで、空き容量のある2人が、のどぐろ炙りと海老と牡蠣を注文。
のどぐろが来たら、めっちゃ食べたくなった。
私はいっすよ、とは言ったものの、物欲しげな目でのどぐろ炙りを見ていたら
1切れわけてくれた。ありがてぇ…!!

「(昨日の主催者)大谷さん、どこに泊まってるんですかね。車中泊かな。」
「なー。…あれ、あれ大谷くんとちゃう?」

フジさんが発見した。
嘘だろうと思ったら、駐車場から大谷さんが出て来た。
テレビの仕込み・漫画かよ!
一緒に歩きながら、カイロスメンバーの全員と合流した。

大谷さんは、ゆうべ、やまもメンズと朝まで祭りを続けていたそうな。
遊ぶ余力が残っていなかったため、メロポチの近くで
見送られた。
大谷さん、まじでサンキュー!



カイロスカーに乗り込み、兼六園を目指した。
香林坊の大通りには、ヴィトンやらユナイテッドアロウズやらの気合いの入った店たちが
東京の表参道のように並んでいた。
そこを兼六園方面に曲がると、桜並木と提灯がずっと先まで続いていて、
道は混んでいるものの、圧巻の景色が広がっていた。
みんなで見るからより美しいものがあるな。


どこの駐車場もP満。
鈴なりに連なった車だらけの車道。
反対車線の車が、詰まった列からたまらず逆走発車し、ついでに後ろからも、もう一台が便乗発車していた。
私たちは、地元在住ふーちゃんにおすすめされた裏技駐車スペースに入った。
ちょうど1つだけスペースが空いていて、すばらしいタイミングだった。


さあ兼六園で花を見るぞ!
なんてったって、桜開花に合わせた無料開放!
混んでいるけれど、無料で入れるんなら、ちょっとでも行っておきたい。
兼六園のお客が過剰に多いのは、こういうことを考えている我々みたいな人らが寄せるように集まっているからだろう。
「このあと、ふーちゃんとの面会時間があるので、短縮コースでいきます。」と乙川リーダー。


兼六園は観光地としてメジャーすぎてあまり興味を持っていなかったけれど、
足を踏み入れて、メジャーになるなりの凄さがわかった。
この広大な庭には
ものすごい樹齢の木々が平然とたくさん立っているんだな。
どれを見ても立派である。
全体を見渡しても、広大な池、周辺の街の景色が見えてきれいだった。


金沢市に住むふーちゃんに会うため、また車をとばす。
連れて行かれるがまま、いつの間にか川を越えるようになり、見たことのない景色の場所へ来た。
そこは、ひがし茶屋街のあたりだった。
趣味の良さそうな店が多い。
通りかかった自転車屋さんは、明るい顔した人たちが集まっており、柴犬も居た。
「犬がいる。良い店感がすごいな」
と言いながら車から眺めて通り過ぎた。


なんだか惹かれる窓の装飾の店があって、そこがふーちゃんとお茶をする店だと聞いた。
しかし入ってみたら、パンや雑貨、お花の展示があって、今日はカフェ営業をしていないとのことだった。
良い柄のブックカバーがあったから、買っちゃった。
ちかぶーも同じものに惹かれていた。
ふーちゃんがサラリと合流していた。
私と背丈が全く一緒ぐらいの、小柄な女性だった。


別のカフェに行くことになって、歩いて川を渡った。
それはリバーサイドにあるOTABAというカフェだった。
向かいには、良い佇まいのコーヒー屋さんがある。
川を眺めてみると、きれいな緑色をしていた。
汚いんだかキレイなんだかわからなかった。
全然透き通っていないんだけど、東京の川なんて変な匂いがするからなぁ。
この川は無臭だし、緑というだけで、東京のよりは良いだろうと思った。



カフェの2階に靴を脱いで上がると、
広々とした空間に椅子とテーブルが並んでいた。
すごく開放的だった。
エルダーフラワーソーダっつーのを飲む。
初めて飲む!良い匂いで美味しい。
いま思い出して飲みたくなるくらいだ。


みんなはソフトクリームとかスムージーとか味わっていた。
いしんさんの昨日のギターのパフォーマンスについて尋ねた。
真似したくなるような奏法だったから。
有名な海外の誰かのマネをしたのかなと予想して聞いた。
いしんさんがヨーロッパ大陸、アメリカ大陸を放浪をしている間、カナダでそれをやっているバンドが居たという。
ライブバーかなにかで演奏していたおっちゃんバンドの映像をみせてくれた。
本当だ。ときどき、ギターの人があの奏法をやっていて
そのたびにギャーン!とギターが叫んでいる。
これは良いところから仕入れたパフォーマンスだなぁと思った。


Kailiosは、明日新しいミュージックビデオを公開する。
私は、さっき車の中でそれを知って、「観たい」とリクエストした。
しばらく経ち、このカフェに着いてから乙川さんがスマホ内でその映像データを見つけてくれた。
せっかくだけれど、気が変わり、「観るのは明日にとっておきます」と言った。
明日発表されるワクワクは、東京に帰ってきたときまでとっておきたいと思ったからだった。


私には、新幹線の時間が刻々と迫っていた。
みんなももっとまったりしそうだし、さてどうやって移動するかなと考えていたところ、
乙川さんが、みんなをカフェにステイさせて、車を出してくれた…
ほんとうにいつもカイロスカーにはお世話になっている。

「なに言ってんすかー、持ちつ持たれつですよー。」

そうだなあ。
私は本当に彼らが好きだな。



金沢駅に着いて、お土産を急いで買って、
自分用に新幹線の中で食べるケーキを1つ買った。
迷いに迷って、いちごのタルト。
美味しそうだったってのもあるけど、昨日みんなでつついたさくらのタルトを思い出したかったんだ…
ノスタルジックすぎる(笑)


北陸新幹線E7系、かがやきに乗車した。
ただでさえ席間を広く感じさせるような車内には大きな荷物置き場も設置されていて良いな。
スキー客のためでもあるかもしれない。
ギターを置いて、マジックテープでくくりつけた。
さようなら、金沢市。

この駅の近くには、タワーレコードがあった。
実際に入店はしていないが、私のCDはちょこんとでも置いてもらえるのだろうか。
そうでなくても、次にここへ来たときには、
クララズのことを知っている人が、少しでも増えていてほしい…

私は遠征先の街、呼んでくれている人に甘えてばかりだ。
自分の力だけでたくさんのお客さんをまだ呼べていないでいる。
CDを発売したら、変わるのかな。
変わらないということはないけれど、それだけでは大きく変わらないのだ。
たぶん、多く足を運んで良いライブをすることが一番だと思う。
一抹の願いや目標を思いながら、金沢市が左に流れてゆく車窓を眺めていた。


富山、糸魚川…日本海も見えた。
海が見れてよかった!やはり吸い込まれてしまうな。
日本海は、距離によって、青、薄い青の層を見せてくれて
とても美しかった。
長野県のあたりにさしかかっても山の景色が目を離さない。
特に、上田駅は面白かった。
地形というのか街に段差があったり、こいのぼりが既にはためいていたりして
ほかにも説明のしようがない面白さがあった。
ここでも桜がまばらに咲いていた。


3時間ほどして、新幹線は上野に着いた。
久しぶりに降りた上野駅の新幹線ホームやコンコース。
改めて歩くと、都内の新幹線の駅にしては、
地方の駅みたく無駄に広いスペースがあることがわかる。
椅子をたくさん設置するだとか、商業的にそこを利用するっていうのがないことに
趣を残してくれているんだろうか、と思わせるところに好感を持てた。
北へ(から)の玄関口とも言われている上野駅は、上野駅であってほしい。



金沢で自分で演奏しに行って考えたのは
地方のライブ・音楽シーンの在り方、立ち位置だった。
もちろん今回のtsumuguにはたくさんお客さんが来て盛り上がったけれど。
ゲストハウスや喫茶店の店主が、
「楽器を持った人がいっぱい歩いてたけど、なにかあるの?」
と私に訊ねていたように、そういったことは
街では珍しいことなんだなぁと認識した。
今まで沖縄とか広島とか行ったけれど…
インターネット使ってると、音楽が好きな人(良い音楽を自分で探ったり辿ったりするような人)っていーっぱい居るんだって思うけど、
それぞれの地方に行ってみたらポツポツとしているもんなんだ。
だけど大谷さんも、それを考えている。
ほかのバンドも、考えている。
一緒に考えてくれる人は居る。手で探るしかないのだ。

 
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